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キャラクター

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ざっくりと

 クラウンはキャラクターを持つことで、より周囲の人が馴染みやすくなる効果があります。マスクという映画のジムキャリーと緑の頭の男は同一人物ですが、キャラクターが全く違います。これが、容姿が変わるだけで中身は何も変わらない映画だったら、全く別の作品ですよね。緑の顔の方は陽気で短絡的で、無鉄砲なキャラクター。足取りは軽くて、何でも前向きで、細かいことは気にしないタイプ。トラブルは勢いでカバーする人。できると思ってやるからなんでも成功する。これがキャラクターです。
 一方普通のジムキャリーで演じるキャラクターはというと、さえない、心配性でやろうとはするけれども自分でブレーキをかけてしまう。そんな感じで物事に取り組むから失敗する。それもキャラクターです。
 この二人が同時に目の前にいたら、明らかに感じ方が違いますよね。それがキャラクターの効果です。さえないキャラクターがいきなり弾けても、どこか失敗を期待してみてしまったり、緑頭が躍り出したら、みんな安心してみていられたり。

では、どうやってクラウンとしてのキャラクターを決めればいいのか。

始めたばかりのころは、そこに拘る人が多いと感じるのですが、それよりもまず、クラウンになることです。役者経験でもなければ、人前でキャラを意識して維持するなんて、できなくていいと思います。キャラに悩んでスタートが遅れる方がよっぽど致命的なミスです。大丈夫、そのうちキャラを勝手にお客さんが教えてくれるようになりますから。

いや、でもキャラクターが気になる・・・なんて人は、まず自分が今までどんなキャラクターで人間として生きてきたかを自分に説明してみてください。それができるようであれば、キャラクターを意識してもいいと思います。

そこで出てきたキャラクターが自分の得意なキャラクターです。そこを誇張してクラウンをやれば、割とスムーズにキャラクターを作ることができると思います。

初めは、自分らしさへの目の向け方すらわからないことが多いです。
自分らしさへの目の向け方が分かったときに、なんとなくクラウンのキャラクターが確立します。

そしたら、とりあえず手っ取り早く、即興で誇張した動きを演じてみましょう。繰り返し繰り返しやれば、自然と見えてくると思っています。

クラウンと俳優の違い

俳優は、その仕事によって役柄を与えられ、それを演じます。
自分ではない、その役柄になりきります。現場によって役が決まる。
クラウンは、役柄を自分で決めます。
そして、どんな現場でもその役柄を通し切ります。現場によらず役が決まっています。
もちろんこれは、アプローチの話であって、やっていることは共通していることが多いと思っています。
クラウンでも演目を作る時に、こんなクラウンを演じてほしいという場合はあるし、俳優でも、演技の表現は自分の中から出します。
ただ、ひとつ大きな違いは、演技力があってもクラウンはできない。ということ。クラウンはキャラクターがないと、何を演じればいいか分からなくなります。

キャラクターはどうやって決めるの?

さて、ここまでにきっと2年くらいかかったのではないでしょうか?4年目のトッシィはまだここまでたどり着いていません。
いよいよ自分が演じたい好きに決めてきます。
どんな役がやりたいか、今までの経験を踏まえて、自分の内側の声を聴いて、決めていきます。そしてここで気付くのではないでしょうか?
なんとなくキャラが定まっていることに。
あとは、それを意識して誇張する方法を身に着けてください。
今まで素のままで演じていたことを、意識して、故意に演じられるようになれば、どんなキャラでも演じられるようになると思います。

演じるということ

それ、演技でしょ。思ってなさそうだもん。
なんて、人から言われることはないですか?
トッシィは、思ってなさそうに感じたなら、演技ではないです。といいたいところです。
演技するということを、一般的には嘘をつくと同義に使いがちですが、
それは、演技を誤解しています。
演じるということは、

無いものを、想像して、想像したもの実際に感じて、初めてできるものです。
パソコンのマウスを何気なく触って、それがめっちゃ熱かったらどんな風になりますか?まず手を見ますか?マウスを見ますか?そこを迷った時点で、それは演技ではなく嘘です。とても仲のいい友達がいれば、実際にマウスをいい感じにあっためておいてみてください。その時のリアクションは、本当です。
でも、これまた演技ではないです。

人に伝わって初めて演技

本当に熱いマウスを触った友達を見て、どう思いましたか?
このときは自分で仕組んでいるから、笑ってしまったかもしれませんね。
じゃあ、食卓の上の沸かしたてのやかんを熱いと知らずに触ってしまった我が子や家族を見たら、どう感じますか?心配しますよね。
コメディではよくそういったシチュエーションを演じますが、それは見ている人に笑ってほしいから演じるわけであって、心配してほしいから演じるわけではないことが多いです。
熱いマウスを触ることで、人に伝えたいことが、伝わるように演じられて、初めて演技ができるということになります。

リアルを追い求めるわけでもなく、嘘をつくわけでもない、かつ、見ている人には嘘ではないように見えて、こちらの伝えたいことが伝わる。それが演技です。

キャラクターを演じる。

さて、自分のやりたいキャラクターが決まって、演技もできるようになった。
もう後は、それを演じるだけです。これが、キャラクターを作る方法です。何がいいたいかと言うと、キャラクターは作ろうと思って作れるような簡単なものではないということです。
キャラクターをイメージするだけであれば、無限のキャンパスが頭の中にあると思うので、そこで描けばいいのです。それを実際に表現するにあたっては、演技を学べばいいし、どうやったら面白くなるかを身に着けたければ演出方法を学べばいい。キャラクターを学ぶということはできないと思います。

それでも、キャラクターを作りたい!という方にオススメなのは、人のまねをすること。
好きなクラウンやアニメのキャラクターなどのまねをしてみても、クラウンを楽しむことはできると思いますし、それも立派な稽古になります。
そして、それが自分のキャラクターを決めるのに重宝します。
やってみて、しっくりくる表現を寄せ集めにすれば、自分のキャラクターです。
やってみて、上手くできない表現は、自分のキャラクターではないといえます

最後に

キャラクターは一度決めたらずっとそのままでなければいけない。というものではないと思っています。
年齢が上がれば、経験を積めば、考え方は変わるものです。
犯罪者に刑務所があるということは、考えが変わらないのであれば、刑務所なんて必要なく、みんな死刑。それ以外は終身刑。
考え方が変われば、キャラクターも変わります。衣装も、メイクも変わります。
それでいいと思っています。